日本一の歌声を決定する冬の風物詩、日本テレビ系『歌唱王~全日本歌唱力選手権~』の第13回大会が1月10日に放送されました。応募総数1万2517件という気の遠くなるような激戦を勝ち抜き、最終決戦のステージに立ったのは、わずか12名の精鋭たち。司会を初めて務めた上白石萌歌さんも「ずっと聴いていたくなる」とため息を漏らすほど、今大会は例年にないハイレベルな戦いとなりました。
中でも演歌・歌謡曲ファンにとって最大の注目は、長崎県出身の小学5年生、西山琳久(にしやま りく)くんです。10歳という若さながら、演歌の真髄である「こぶし」を自由自在に操る少年の登場に、審査員席からは驚きと感嘆の声が止みませんでした。祖父の影響で演歌に出会い、愛する「おんじい(おじいちゃん)」にプロの姿を見せたい一心でマイクを握った琳久くん。数々の実力派大人たちを相手に、彼がいかにして頂点へと登り詰めたのか。そして、音楽プロデューサー秋元康氏を本気にさせたその才能の正体とは。大逆転のドラマから、涙のデビュー曲披露まで、心揺さぶる感動の全貌を詳しくお伝えします。
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『歌唱王』第13回優勝は10歳の“天才演歌少年”西山琳久 秋元康も絶賛「神様からのギフト」
300年の歴史を持つ住職から一流パン職人まで。魂がぶつかり合った予選突破の精鋭たち
今大会を盛り上げたのは、琳久くんだけではありません。13人目の「歌唱王」の座を狙う挑戦者たちは、いずれも音楽のプロを唸らせるほどの猛者ばかりでした。例えば、長崎県佐世保市からやってきた里見呂明さんは、300年の歴史を受け継ぐお寺の現役住職です。彼が森山直太朗さんの『さくら(独唱)』を歌い出すと、スタジオはまるでお寺の境内にいるような静謐な空気に包まれました。祈りにも似たその歌声は、言葉の一つひとつが聴く者の心に深く染み渡り、司会の上白石さんが「歌詞が心に響いた」と評したのも頷ける圧倒的な説得力がありました。
また、今大会最年長、74歳の一流パン職人・廣瀬満雄さんの歌唱も、演歌ファンならずとも心打たれる一幕でした。披露したのは中島みゆきさんの『時代』。幾多の困難を乗り越えてきた人生の厚みが、その歌声には確かに宿っていました。審査委員長の秋元康氏が「歌がうまいの域を超えた」と絶賛し、MCの南原清隆さんが思わず涙を流した光景は、歌とは技術だけではなく、その人の「生き様」であることを改めて教えてくれました。若き天才たちと、人生を重ねたベテランたちの真っ向勝負。これこそが歌唱王の醍醐味といえるでしょう。
圧巻の「望郷じょんから」。10歳の少年の喉に宿った、おじいちゃんへの深い愛と情念
そんな強豪たちがひしめく中、第1ステージで空気を一変させたのが西山琳久くんです。彼が選んだ勝負曲は、演歌界のレジェンド・細川たかしさんの名曲『望郷じょんから』でした。この曲は激しい三味線の音色に負けない力強い発声と、繊細なこぶしの回しが必要とされる難曲中の難曲です。しかし、琳久くんが第一声を発した瞬間、会場にはどよめきが走りました。10歳とは思えない喉の強さ、そして故郷への未練と愛を歌い上げるその表現力は、まさに「天才」と呼ぶにふさわしいものでした。
実は彼が演歌にのめり込んだのは、大好きなおじいちゃんの影響。幼い頃から祖父の傍らで歌い続け、いつか歌手になった姿を見せたいという純粋な想いが、その「こぶし」の一つひとつに魂を吹き込んでいました。紅白出場の経験を持つ丘みどりさんも、その才能を目の当たりにして手放しで賞賛。秋元康氏からは「神様からのギフト」という、これ以上ない賛辞が送られました。700点満点中692点という、驚異的なスコアでファイナルラウンドへ駒を進めた姿は、演歌界に新しい光が差し込んだ瞬間でもありました。
激戦を制した「神様からのギフト」。秋元康氏が手掛けるデビュー曲『おんじい』に込めた想い
ファイナルラウンドは、上位4名による一騎打ちとなりました。一歩も譲らない歌唱力の応酬が続き、審査員による最終投票の結果、わずか1票差というドラマチックな結末で琳久くんが第13代歌唱王に輝きました。優勝が告げられた瞬間、10歳の少年が見せた安堵と喜びの表情、そしてその後の涙には、テレビの前で見守っていた多くのファンも共に目頭を熱くしたに違いありません。
そして番組のクライマックス、優勝した琳久くんのために秋元康氏が書き下ろしたデビュー曲『おんじい』が初披露されました。秋元氏はこの曲を作るにあたり、「単に歌が上手いだけでは終わらせたくない、オンリーワンの魅力をどう引き出すか」と、本気で悩み抜いたといいます。タイトルの『おんじい』とは、方言でおじいちゃんを意味する言葉。琳久くんが演歌を愛するきっかけとなった祖父への感謝と、その深い絆を綴ったこの一曲は、単なる子供の歌ではなく、聴く人それぞれの「大切な人」を思い出させる不思議な力を持っていました。この曲はキングレコードからの発売が決定しており、琳久くんは文字通り、夢であった演歌歌手としての第一歩を踏み出すことになります。
演歌ニュース記事 感想
今回の歌唱王を振り返り、10歳の西山琳久くんが放つ演歌の力強さに、ただただ圧倒されてしまいました。何よりも心を打たれたのは、彼が「おじいちゃんに自分の晴れ姿を見せたい」という、たった一つの真っ直ぐな想いで、あれほどの難曲を歌いこなしたという点です。最近は若者の演歌離れが叫ばれることもありますが、琳久くんのように、伝統的なこぶしを大切にしながら、全身全霊で歌う子供がいるという事実に、演歌の未来はまだまだ明るいと確信いたしました。
特に印象に残ったのは、秋元康氏がプロデュースした楽曲のタイトルが『おんじい』であったことです。秋元さんが琳久くんのルーツであるおじいちゃんとの絆に焦点を当て、それを「オンリーワン」の武器にしようと考えたことに、プロの鋭い眼差しを感じました。1票差という大接戦を制した時の彼の涙は、決して自分一人の勝利ではなく、おじいちゃんと二人三脚で歩んできたこれまでの時間が報われた瞬間だったのではないでしょうか。キングレコードから発売されるデビュー曲、早くフルコーラスで聴いてみたいですし、いつか本物の紅白のステージでおじいちゃんと並ぶ姿を見られる日が来るのを、今から心待ちにしています。

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