4月15日、東京で開催された「第4回杉友寄席」に、演歌歌手・伍代夏子さんが登壇しました。出演者には、杉良太郎さん、吉原朝馬さん、そしてAKB48の伊藤百花さんといった多彩な顔ぶれが揃い、会場は早くから満席となる盛況ぶり。中でも、制服姿で登場した伍代さんの姿には、ひときわ大きな拍手が送られていました。
「SOS47の伍代夏子です」――冒頭の一言に、客席からは笑顔と拍手が自然とこぼれました。実は彼女、警視庁の「特別防犯支援監」としての顔も持ち、防犯啓発活動にも積極的に取り組んでいます。今回は「特殊詐欺」への注意喚起をテーマに、落語を交えた“学びと笑いの時間”が展開されました。
笑いを通じて社会に働きかける――。そうした寄席本来の精神が、今の時代に新しい形で息づいています。今回はその現場で語られた内容や、伍代さんの呼びかけを中心にご紹介いたします。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7d320778db0bc3fd9e7b1873ed1004424b68460
「SOS47の伍代夏子です」警視庁特別防犯支援監 特殊詐欺の国際電話に注意呼びかけ
“知らない電話には出ない”という勇気を 防犯支援監としての強いメッセージ
「電話に出なければいいんだけど、出てしまうんですよね。日本人は居留守に罪悪感があるのかも」
そう語る伍代夏子さんの言葉には、現実味と優しさが同居していました。特殊詐欺の6割が海外からの電話であるという現状を紹介しながら、「話さなければ被害は防げるんです」と繰り返し訴えます。
会場では、「海外からの電話を止める手続きができる」という具体的な方法も紹介されました。用紙に記入するだけで、海外からの着信をブロックするサービスが利用可能であることに、多くの来場者が耳を傾けていました。
「止めても大丈夫な方は、ぜひ止めちゃってください」と軽やかに呼びかける姿は、どこか親しみやすく、それでいて力強さもありました。「これが終わらないと落語に入れないので」と笑いを交えつつ、実際にその場で用紙を記入してもらう流れをつくったのも、伍代さんらしい心配りだったように思います。
落語を通じて伝える“防犯”のカタチ 笑いと真剣さが同居する寄席の空間
今回の「杉友寄席」は、“落語で社会をよくする”という理念のもとに復活したものです。第1回は特殊詐欺対策、第2回は健康づくり、第3回は防災、そして第4回の今回は、再び特殊詐欺がテーマとなりました。
この日も、吉原朝馬さんによる落語や、伊藤百花さんの可愛らしい小話が会場を和ませる一方で、伍代さんの防犯呼びかけがしっかりと挟み込まれ、笑いと啓発がバランスよく展開されていました。
吉原さんが伊藤さんの小話の感想を伍代さんに尋ねた際、「かわいいからね」と答える場面もあり、場内に笑いが広がりました。親しみやすさの中にも、日常に潜む危険を伝える使命感がにじみ出ていたのが印象的でした。
落語という古典芸能を軸にしながら、そこに“現代の課題”を織り交ぜていくこの取り組みは、今後さらに注目を集めるのではないでしょうか。
「演歌歌手」であり「防犯の顔」でもある 伍代夏子の静かな決意
演歌の世界では、長年にわたり美しい歌声と品のある佇まいで親しまれてきた伍代夏子さん。そんな彼女が、制服姿でマイクを握り、「話しかけられても返事をしないで」と語る姿は、いつもとは少し違う表情を見せていました。
芸能人だからこそ届く言葉がある。知名度があるからこそ、広がる影響力がある。そのことを誰よりも理解し、自ら前線に立って声を上げているのが伍代さんです。
「音楽の力だけでは届かない場所にも、きちんと届けていく」――それは、演歌の世界を支えてきた彼女なりの新しい“表現”なのかもしれません。
会場をあとにする人々の手には、申し込み用紙とペン、そしてちょっとした笑顔が残っていました。学びがあって、温かくて、そしてどこか安心感のある空間。そんな寄席の時間は、演歌の歌声にもどこか通じるような、心の余白を感じさせるひとときでした。
演歌ニュース記事 感想
今回の記事を通して感じたのは、伍代夏子さんという存在の“多面性”でした。歌手としての活動とはまた違ったかたちで、社会に働きかけている姿には、率直に驚きと敬意を覚えました。
特に印象的だったのは、「日本人は居留守に罪悪感があるのかも」という一言です。確かに、自分の家にかかってきた電話を無視することに、少しだけ抵抗を覚える感覚、思い当たる節がありました。だからこそ、その感情に寄り添いながらも、「出ないことが身を守る」と明るく伝えてくれたことに、素直に救われる思いがしました。
また、ただ伝えるだけでなく、その場で用紙を書かせてしまう伍代さんの実行力には脱帽です。「これが終わらないと落語に入れない」という言い方も絶妙で、笑いと実行を両立させる手腕はさすがだと思いました。
演歌の舞台とは別の場所で、こんなにも人の心を動かしている。そう思うと、また改めて彼女の歌が聴きたくなりました。
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