演歌・歌謡界の至宝であり、常に第一線を走り続けてきた五木ひろしさんが、再デビュー55周年という輝かしい節目を迎えました。2026年4月30日、大阪市内で行われた取材会。そこに現れた五木さんは、昨夏の闘病生活を感じさせない力強い「こぶしポーズ」で報道陣を迎えました。1971年の『よこはま・たそがれ』から数えて55年。昭和・平成・令和を駆け抜けたレジェンドが、いま、自らの「命」と「使命」について熱く語っています。
今回のコンサートツアーは、1月から始まり全国を巡るアニバーサリー公演です。特に9月9日の兵庫・姫路公演をはじめ、関西のファンへの恩返しを強く意識されています。記事では、明治座での緊急入院という最大の危機をどう乗り越えたのか、そして坂本冬美さんや吉幾三さんといった仲間たちとの涙の絆、さらには次世代の若手歌手へ託す「歌のバトン」の真意まで、五木ひろしさんの現在地を深く掘り下げていきます。読めばきっと、私たちがなぜ彼の歌声にこれほどまでに魂を揺さぶられるのか、その答えが見つかるはずです。
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五木ひろし、55年トップの理由 大阪で見えた“自然な振る舞い”/芸能ショナイ業務話
大阪で見せたトップスターの気遣いと原点への想い
幕が上がると同時に、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。新沼さんは開口一番、「ここまで来るのに働いて、働いて、働いて、働いて……」と、昨年の流行語でも話題となったフレーズを引用し、客席の笑いを誘います。しかしその冗談の裏には、決して平坦ではなかった50年の重みが確かに宿っていました。デビュー曲『おもいで岬』を皮切りに、誰もが口ずさんだ国民的ヒット曲『嫁に来ない五木ひろしさんが長年トップに君臨し続ける理由は、その圧倒的な歌唱力だけではありません。今回の大阪での取材会でも、その「人間力」が随所に溢れていました。実はこの会、以前の公演時に多忙で報道陣へ挨拶ができなかったことを五木さん自身がずっと気に病んでおり、「どうしても直接お礼がしたい」という本人の強い希望で実現したものだそうです。会場では終始にこやかな笑みを絶やさず、報道陣一人ひとりの目を見るように語りかける姿は、まさにスターの鑑と言えるでしょう。
五木さんは「僕は大阪に育てていただいた」と、読売テレビ『全日本歌謡選手権』での10週連続勝ち抜きという伝説の再デビュー当時を懐かしそうに振り返りました。新歌舞伎座での1500回出演という金字塔も含め、関西は彼にとって「第2の故郷」であり、不滅の原点。55周年という大きな区切りに、まずこの地で感謝を伝えたいという一途な思いが、最新曲『千年の懸想文』の深みのある響きにも繋がっているのだと感じさせられました。
絶望の淵を支えた黄金の絆と不屈の復活劇
しかし、この栄光への道のりには、昨年、最大とも言える試練が立ちはだかっていました。2025年夏の明治座公演中、肺疾患と気管支炎により緊急入院。常に健康を誇ってきた五木さんにとって、舞台を降りることは断腸の思いだったに違いありません。意識が戻り、真っ先に心配したのは自分の体よりも「舞台をどう繋ぐか」だったといいます。そんな窮地を救ったのが、長年共に切磋琢磨してきた仲間たちの存在でした。
「まず吉(幾三)くんが真っ先に連絡をくれた」と語る五木さんの瞳には、感謝の光が宿っていました。坂本冬美さんが座長を代行し、里見浩太朗さんや山本譲二さん、竹島宏さんら豪華な面々が次々と応援に駆けつけた明治座。代役を一晩で完璧にこなした太川陽介さんの奔走など、仲間たちが繋いだバトンは、五木さんにとって「55年歌ってきたご褒美」だったといいます。そして何より、支えてくれた妻・和由布子さんへの「彼女がいなければ今の僕はいない」という告白は、長年連れ添った夫婦の深い愛と結束を物語る、何よりも尊いエピソードでした。
伝統の火を消さない使命と次世代へ託す歌のバトン
いま、五木ひろしさんの視線は、未来の演歌・歌謡界へと真っ直ぐに向けられています。かつて自らが偉大な先達から受け取った「歌のバトン」を、今度は自分が次の世代に繋ぐ。それが今の自分の責任だと彼は言い切ります。人気番組『五木先生の歌う!SHOW学校』で生徒役を務めた山内惠介さんや市川由紀乃さん、そして最近のツアーを共にする辰巳ゆうとさんら若手歌手への指導は、まさに「伝統文化」の継承そのものです。
「演歌は歌舞伎や大相撲と同じ、日本の伝統文化である」という言葉には、一過性の流行ではない、本物の歌を遺したいという強い覚悟が滲んでいました。78歳にしてなお、ピアノやサックスなど多彩な楽器を操り、3時間近いステージを一人で完遂する超人ぶり。93歳で現役を貫く渡辺貞夫さんに刺激を受け、「55年なんてまだちっちゃい」と笑い飛ばすそのバイタリティは、まさに演歌界の誇りです。新しい五木ひろしを常に見せたいという向上心、そして生成AIさえも「面白いね」と受け入れる柔軟な感性が、彼をいつまでも若々しく、唯一無二の存在たらしめているのです。
演歌ニュース記事 感想
五木ひろしさんのインタビューを通じ、そのあまりにストイックで、かつ愛に溢れた生き方に深く心を打たれました。特に、昨年の明治座でのエピソードは、華やかなステージの裏側にこれほどドラマチックな支え合いがあったのかと、驚きを禁じ得ません。もし私がその場にいたら、仲間たちがステージを守り抜く姿を見るだけで、きっと涙が止まらなかっただろうと思います。五木さんのような孤高のスターが「仲間は有り難い」としみじみ語る姿には、一人の人間としての温かさと深みが凝縮されていました。
また、78歳という年齢でありながら「孫が自分を理解するまで、あと10年は頑張りたい」と目を輝かせるおじいちゃんとしての一面にも、親近感と勇気をいただきました。90代を見据え、常に新しいものを取り入れようとする姿勢。それは伝統を守る一方で、決して型に嵌まらない自由な精神があるからこそ可能なのでしょう。最新曲『千年の懸想文』が持つ壮大なスケールは、そんな五木さんの「千年先まで歌い継ぎたい」という純粋な願いそのものなのだと感じ、改めて一曲一曲を大切に拝聴したいという思いが湧きました。

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