テレビ東京の人気番組『THEカラオケ☆バトル』で“最強中学生”として名を馳せた佐々木麻衣さん(23)。あの頃の無邪気な歌声が、いまプロの演歌歌手としてどう進化しているのか。2023年9月に『約束岬』でメジャーデビューを果たした彼女が、2作目となる『大好きだから』を2024年4月にリリースしました。
今回の作品は、前作から続く三部作の第2章。“カワイイけれど昭和の香りがする”と佐々木さんが語るこの新曲には、恋の揺らぎと信じる気持ちが丁寧に綴られています。だがその裏には、元「カラオケバトル四天王」ならではの葛藤も隠されていました。
歌手としての喜びと苦悩、そして先輩たちとの出会いが与えた気づきまで──佐々木麻衣という新星の現在地に迫ります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d9796675eb49423d7d45082d963d19c0f14a2a9
佐々木麻衣 デビュー後に知った『カラオケ☆バトル』四天王という肩書の“ネームバリュー”と「苦悩」
“100点の女王”が見せる、等身大の演歌
『大好きだから』は、疑いと信頼のはざまで揺れる女心を描いた、現代的なムードを持つ演歌です。昭和歌謡をベースにしたレトロさと、佐々木さんならではの柔らかい歌声が調和し、聴く人の心にすっと入り込んでくるような仕上がりとなっています。
「恋愛経験はまだないんです」と笑う彼女ですが、歌詞の背景を理解しようとドラマを観たり先輩の話を聞いたりと、地道に“女心”の研究を重ねたそうです。その努力があってこそ、説得力ある歌が生まれているのかもしれません。
『THEカラオケ☆バトル』で何度も100点を叩き出した彼女だからこそ、“機械で測れるうまさ”だけではない、“人の心に届く歌”への意識は人一倍強くなっているように感じられます。
先輩たちの隣で見えた、自分の現在地
昨年、伍代夏子さん、石原詢子さん、大石まどかさんという大御所3人と共に国技館で相撲観戦をしたことがあったといいます。きっかけは、伍代さんのラジオ番組にゲスト出演した際の何気ない会話。
「社交辞令だと思っていたけど、本当に誘っていただけてびっくりしました」と話す佐々木さん。当日、国技館の入り口で大先輩たちを待つ時間は、“本当に自分は歌手としてここにいていいのか”と自問自答する瞬間でもあったと語っています。
マス席に4人並んで座ったそのひととき、周囲から“なっちゃん”“じゅんちゃん”と親しげに声をかけられる先輩たちと、自分の知名度との差を肌で感じた経験は、彼女にとって「もっと努力しなければ」と思わせるきっかけになりました。
「点数の人」で終わりたくない。模索する“歌手”としての姿
キャンペーンでは「100点をとってください」とよく求められるという佐々木さん。確かに持ち歌以外でも150曲以上で100点を出せる実力は、カラオケ好きにとっては憧れの的です。
しかし一方で、「点数をとるだけの人になってしまうことが怖い」とも口にします。『約束岬』や『大好きだから』を“聞かせる歌い方”で届けたいという思いと、テレビ番組で培った“採点用のテクニック”とのギャップ。両方を武器にしつつも、自分は“演歌歌手・佐々木麻衣”として成長したいと語る姿は、迷いながらも力強さを感じさせます。
「100点を出すパフォーマンスも大事だけど、私はちゃんと“聴かせる歌手”として覚えてもらいたい」
そんな思いが、歌い手としてのアイデンティティを深めていく糧となっているようです。
演歌ニュース記事 感想
今回のインタビューを通して感じたのは、“佐々木麻衣=カラオケバトル”というイメージを超えて、新しいステージへ向かおうとしている真剣な姿勢でした。国技館でのエピソードも、単なる思い出話ではなく、彼女が“プロの世界”の厳しさと美しさを自分なりに受け止めた証だったと思います。
特に印象に残ったのは「点数の人で終わりたくない」という言葉。これは彼女の芯の強さの表れであり、同時に葛藤の裏返しでもあるはずです。そういった人間味が、これからの作品にもっと深く反映されていくのだろうと感じました。
歌の上手さだけでなく、心で歌を届ける演歌歌手として、彼女がどんな成長を見せてくれるのか。今後の活躍に注目したいと思います。
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