2023年8月17日、氷川きよしが約1年8カ月ぶりに東京・有明ガーデンシアターで復帰を果たした「KIYOSHI HIKAWA+KIINA.25th Anniversary Concert Tour ―KIIZNA―」は、歌謡界にとって今年最大の出来事の一つでした。復帰を待ち望んでいた約6500人のファンが集まり、氷川が32曲を熱唱する姿に涙し、熱狂しました。
長らくの休養期間を経て、演歌の枠を超えた新たなアーティストとしての姿を披露したこのコンサート。特に印象的だったのは、彼が心の葛藤を乗り越え、ファンや自分自身に向けた感謝の気持ちを歌に込めた瞬間でした。今回はその感動的な復活公演の詳細をお伝えします。
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演歌を超えた「氷川きよし+KIINA.」1年8カ月ぶり復活、生きづらい時代に寄り添う
「KIINA」としての新しい一歩
休養前の氷川きよしは、演歌の第一線で活躍していましたが、このコンサートでは「KIINA」という新たなアーティスト名義を用い、ポップスやシャンソン、さらにはロックの要素を取り入れたパフォーマンスを披露しました。
氷川は、自身で作詞した「WALK」を皮切りに、「きよしのズンドコ節」や「箱根八里の半次郎」といった演歌の名曲を披露しつつも、そのほとんどがフルコーラスではなく短くまとめられていました。それに対して、「SEVEN DAYS WAR」や「You are you」、「FATHER」など、ポップスやシャンソンといったジャンルの楽曲に力を入れ、観客に新たな自分を示しました。
特に「FATHER」では、氷川自身の父との関係を描いた切実な歌詞が胸を打ち、歌い終わった瞬間に彼が涙を流す姿に会場が静まり返りました。彼は観客に「すいません、ごめんなさい」と謝りながらも、次の曲に進む姿に、ファンは一層の感情移入をしたことでしょう。
氷川とファンの絆
コンサートの随所には、氷川きよしのファンへの深い感謝の気持ちが溢れていました。彼はこれまでの1年8カ月間、自分自身と向き合い、多くの悩みや不安を抱えていたことを告白。それでもファンの支えがあったからこそ、再びステージに立つことができたと強調していました。
氷川は、曲間にファンへの感謝の言葉を述べるたびに、観客からは温かい拍手と声援が送られました。特に、アンコールで披露されたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」は、英語と日本語の歌詞を巧みに織り交ぜ、氷川の卓越したボーカル力と表現力が存分に発揮されました。
このコンサートを通じて、彼はただの歌手ではなく、ファンとの深い絆を大切にするアーティストとしての成長を感じさせました。観客との一体感は、まさに「KIIZNA(絆)」というコンサート名の通り、氷川とファンを繋ぐ強い結びつきを象徴していました。
生きづらい時代に寄り添うメッセージ
氷川の復帰は単なる音楽活動の再開に留まらず、現代社会の生きづらさに悩む多くの人々に寄り添うメッセージが込められていました。「自分は何者か」「どう生きるべきか」という根本的な問いに向き合う歌詞が、彼の歌に深みを与えました。
「You are you」では、一人ひとりがかけがえのない存在であることを力強く歌い、「生まれてきたら愛すればいい」では、誰かを愛することにためらいを感じる現代人に向けて、無条件の愛の大切さを訴えかけました。彼の歌詞には、生きづらさを抱えるすべての人々に向けた優しさと励ましが感じられました。
氷川は、このコンサートで単なる演歌歌手から脱却し、より多様な音楽ジャンルに挑戦することで、新たなアイデンティティを確立しました。彼の復帰は、時代に合ったメッセージを持つアーティストとして、今後さらに多くの人々に影響を与えることでしょう。
演歌ニュース記事 感想
このコンサートは、単なる音楽のイベントではなく、氷川きよしの新たな章が始まった瞬間を目撃する機会でした。演歌の枠を超えた彼の挑戦と、ファンとの深い絆が鮮明に描かれ、涙と感動が溢れる時間となりました。
特に印象的だったのは、「FATHER」での彼の涙です。歌詞に込められた感情と、氷川自身の心の葛藤がその場にいたすべての人々に伝わり、彼の成長を目の当たりにしました。また、「ボヘミアン・ラプソディ」を歌い上げる彼の姿は、新たな挑戦を続ける彼の決意を感じさせ、これからの氷川きよしがどのような音楽を届けてくれるのか、今後の活躍がますます楽しみになりました。
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