2025年4月26日・27日、東京・ヒルトン東京にて開催予定だった『桂銀淑DINNER SHOW IN JAPAN 2025』が中止となりました。理由は、興行ビザの発給が下りず、桂銀淑さん本人が日本へ入国できなかったためです。
実に18年ぶりとなる日本公演。再び日本のステージでその歌声を響かせる日を待ち望んでいたファンも多く、公演の発表当初からSNSやファンクラブを中心に期待の声が高まっていました。彼女自身も「会いたくて、心が今もウルウルしています」と語っていたように、復帰への強い想いを抱いていただけに、今回の発表は多くの人々にとって残念な報せとなりました。
しかしその一方で、彼女のこれまでの歩み、そしてこの公演が実現していたら何を見せてくれていたのか――。中止という事実だけでなく、そこに込められていたものにも改めて目を向けてみたくなる出来事です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9f58a82310dbe5f70c337b53a80891506669dac
桂銀淑の18年ぶり公演中止 興行ビザがおりず日本に入国できず
18年ぶりの帰還が叶わなかった理由
今回のディナーショーは、かつてのヒット曲の数々を披露し、本人の再出発を象徴するような舞台になる予定でした。桂銀淑さんにとって日本は特別な場所であり、彼女の音楽人生の大きな舞台でもあります。その日本に18年ぶりに戻ってくるというのは、ファンにとっても彼女自身にとっても、大きな意味を持つ出来事だったはずです。
ところが、開催を目前に控えたタイミングで、入国に必要な「興行ビザ」の発給が認められなかったという事態が発生。結果として、イベントそのものが開催中止となってしまいました。興行ビザの取得は国際的な基準のもとで審査が行われるため、過去の経歴や事情が影響した可能性もあります。
それでも、桂さんは再起を期して数々の音楽番組で健在ぶりをアピールしてきました。彼女の発するメッセージには、かつての過ちを受け止めたうえで、前へ進もうとする姿勢が確かにありました。
名曲の記憶と、色褪せない存在感
桂銀淑という名前に、記憶がよみがえる人も少なくないでしょう。1985年の「大阪暮色」での日本デビュー以降、「すずめの涙」「夢おんな」「北空港」など、数々の名曲をヒットさせました。ハスキーで艶のあるその歌声は、当時の演歌界において異彩を放っており、一気にトップ歌手の仲間入りを果たします。
NHK紅白歌合戦にも7年連続出場。韓国出身の歌手としては最多となる記録であり、演歌界の“女王”と呼ばれる理由がそこにありました。彼女の楽曲には、どこか哀愁と情熱が同居していて、心の奥に残るような余韻があります。
2000年代以降は困難な時期も続きましたが、近年は福祉活動や韓国での音楽番組出演などを通じて、少しずつ音楽の場に戻ってきていました。そんな中で発表された今回の日本公演は、彼女自身にとっても大きな一歩だったことは間違いありません。
「再び日本で歌いたい」という願いと、その意味
来日が叶わなかったとはいえ、桂銀淑さんの“歌いたい”という思いは本物でした。「日本のファンに会いたい」「東北を回って歌を届けたい」と語っていたその言葉には、感謝と懺悔、そして再出発のすべてが込められていたように思います。
かつては一世を風靡した存在でありながら、過去の過ちによって長いブランクを経た彼女。そのうえで「演歌の舞台に、もう一度立ちたい」と願ったことは、単なる興行以上の意味を持っていたはずです。
今回の中止という現実は残念ではありますが、それでも彼女が歌を通して前へ進もうとしている姿勢は、多くの人の心に何かを残したのではないでしょうか。再びステージに立つ日がくるのかは分かりませんが、その日を願いながら、まずは彼女のこれまでの楽曲を改めて聴き直してみたいと思わされます。
イベント詳細(※中止)
桂銀淑 DINNER SHOW IN JAPAN 2025(※中止)
開催予定日:2025年4月26日(土)、27日(日)
会場:ヒルトン東京(東京都新宿区)
※イベントは諸般の事情により中止となりました。【払い戻しについて】
チケットをお買い求めいただいた各プレイガイド(JUSEチケット/チケットぴあ/ローソンチケット)にて、順次払い戻しのご案内が行われる予定です。詳細は各プレイガイドまたは公式発表をご確認ください。
演歌ニュース記事 感想
このニュースを知ってまず感じたのは、ただの「中止」では済まされない、背景の重さでした。18年という年月は簡単に語れるものではなく、それだけの期間を経て“もう一度日本で歌いたい”と願った気持ちは、きっと言葉にしきれない想いがあったのだと思います。
特に印象に残ったのは、「会いたくて、心が今もウルウルしています」という桂さんの言葉です。決して完璧な人生ではなかったかもしれませんが、それでも歌への情熱を失わずに、戻ろうとしていたその姿に、素直に胸を打たれました。
過去のヒット曲を久しぶりに聴いてみると、当時とはまた違う形で心に響くような気がします。音楽には時間を越えて届く力があると、改めて感じさせてくれる出来事でした。
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