三山ひろし、古都の悲恋に新境地!中西りえ、立樹みか、青山ひかる…今、聴くべき魂の歌謡曲4選【いま、聴きたい演歌・歌謡曲】

世代を超えて歌い継がれ、私たちの心に寄り添ってくれる演歌・歌謡曲。その奥深い世界から、今、特に輝きを放つ注目の作品をご紹介する連載企画「いま、聴きたい演歌・歌謡曲」。第18回目となる今回は、それぞれが新たな挑戦や、特別な想いを込めて世に送り出した珠玉の4曲をピックアップしました。安定した人気を誇る三山ひろしさんが、これまでのイメージを覆すような格調高い悲恋歌に挑めば、“伊勢の歌姫”中西りえさんは、紅白の舞台をも見据えたかのようなトリッキーで華やかな楽曲で魅了します。さらに、立樹みかさんは長年温めてきた隠れた名曲を、そして青山ひかるさんは本来の自身の魅力を存分に発揮したドラマティックな楽曲を、満を持してリリース。この記事では、そんな4者4様の物語が詰まった、聴き応え十分の最新曲の魅力に迫ります。

https://barks.jp/news/992809/
【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.18(本人歌唱指導付き)三山ひろし、中西りえ、立樹みか、青山ひかる

古都の夜桜に咲く悲恋…三山ひろし、格調高き様式美への挑戦

“ビタミンボイス”で多くのファンを元気づけてきた三山ひろしさんが、今年2枚目のシングルとして発表した「祇園闇桜」。前作の庶民的な酒場を舞台にした世界観から一転、今回は古都・京都の祇園を背景に、女性の切ない悲恋をしっとりと歌い上げます。石原信一先生が紡ぐ、風景と感情が織り混ざるような美しい歌詞。そして、その詞に魂を吹き込むのは、ここ数年、三山さんの楽曲を連続して手がけている大御所・弦哲也先生です。弦先生の代表作といえば、石川さゆりさんの「天城越え」が有名ですが、「祇園闇桜」では、そのドラマティックな要素は残しつつも、三山さんの滑らかで温かみのある歌声に合わせて、まるで風景がゆっくりと移り変わっていくかのように、繊細にメロディが展開されていきます。琴の音が静かに流れ始めた瞬間、「これは名曲に違いない」と確信させられるような、格調高い様式美に満ちたこの一曲。三山ひろしさんの新たな代表曲の誕生を予感させます。

江戸と令和が交差する!中西りえ、トリッキーな歌舞伎絵巻で紅白へ

“伊勢の歌姫”こと中西りえさんの1年ぶりとなる新曲「からくり歌舞伎 万華鏡」は、一度聴いたら忘れられない、実にトリッキーでキャッチーな一曲です。水木れいじ先生が手がけた歌詞は、江戸時代と令和の世を行ったり来たりする、まるでタイムトラベルのような目眩く世界観。歌詞の中に「スマホ」という現代的な言葉が登場したかと思えば、初音ミクのボカロ曲としても知られる「千本桜」を彷彿とさせる仕掛けも。そして、作曲はヒットメーカー・浜圭介先生、編曲はあの「夜桜お七」を手がけた若草恵先生という布陣。その華やかでインパクトのあるサウンドは、年末の大舞台を狙いに行くぞ!という、中西さんの強い意気込みの表れなのかもしれません。カップリングでは、自身が初めて作詞に挑戦したニューミュージック風の楽曲「この町 この駅で」も収録。演歌からポップスまで歌いこなす彼女の実力が、改めて証明されています。

年上の女将の純情と母性…立樹みか、思い入れ深い“隠れ名曲”の復活

活動再開から1年半、立樹みかさんがニューシングルとして選んだのは、97年にリリースされた楽曲のカップリングとして収録されていた「漁火」のニューバージョンです。立樹さん自身、この曲に並々ならぬ思い入れがあり、今回、満を持しての再レコーディングとなりました。この楽曲の魅力は、何と言ってもその歌詞の世界観。酒場の少し年上の女将が、素直になれずに強がってしまう男性を、優しく、そして深く受け止める。その純情と母性の間で揺れ動く心の機微が、見事に描かれています。派手さはないかもしれませんが、少し人生の苦さを知った女性なら、誰もが共感できるような、まさに“隠れた名曲”。このような楽曲が、時を経て再び脚光を浴びるのは、歌謡曲ファンにとってこの上ない喜びです。カップリングには、立樹さん自身が作詞・作曲を手がけたムード歌謡「今度生まれ変われたら」も収録されており、彼女の現在の心境が垣間見えるようで興味深いです。

運命を歌う壮大なバラード…青山ひかる、本来のドラマティックな舞台へ

中性的なルックスとアルトボイスで、歌謡曲からシャンソンまでを歌いこなす実力派シンガー、青山ひかるさん。ここ数年は活動の方向性に迷いもあったようですが、日本クラウンからは6年ぶりとなる今回の新曲で、ついに本来の彼女が輝くべき舞台へと帰ってきてくれました。本人たっての希望で、シンガーソングライターのHANZO氏に両A面での楽曲制作を依頼。「光る君に」は、まるでオペラの一幕かのように、運命をドラマティックかつ壮大に歌い上げるバラードに仕上がっています。「今が貴方の折り返しの旅よ」という一節には、ここからが再スタートなのだという、彼女自身の強い決意が込められているのかもしれません。その圧倒的な歌の情感は、聴く者の心を激しく揺さぶります。カップリングのムード歌謡「花乱舞」も、彼女が歌うことで、妖しい仮面舞踏会のような独特の世界観を生み出しています。このドラマティック路線こそ、青山ひかるさんの真骨頂と言えるでしょう。

演歌ニュース記事 感想

今回ご紹介した4組の歌手と楽曲の記事を拝見し、演歌・歌謡曲というジャンルが持つ、尽きることのない可能性と奥深さを改めて感じました。三山ひろしさんのように、確固たる地位を築きながらも新たな表現に挑戦する姿、そして中西りえさんのように、現代的な要素を大胆に取り入れ、新しいファン層にアピールしようとする意欲。どちらも、このジャンルが進化し続けている証拠だと思います。

特に印象的だったのは、立樹みかさんの「漁火」のエピソードです。一度はカップリング曲として世に出た楽曲を、歌い手自身が長年温め続け、ニューバージョンとして再びリリースする。そこには、一曲一曲に対する深い愛情と、歌い手としての矜持が感じられ、心を打たれました。また、青山ひかるさんが「本来の舞台に戻って来た」と評されている部分にも、ご本人の葛藤や、今回の新曲にかける並々ならぬ想いが想像され、どのような楽曲なのか、ぜひ聴いてみたくなりました。

この記事を読んで、4者4様の挑戦と、その背景にある物語に触れることができ、それぞれの楽曲をより深く味わってみたいという気持ちでいっぱいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました