日本の音楽シーンに新たな歴史を刻む、日本最大級の国際音楽祭「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」(MAJ)。その中でも、日本の魂とも言える演歌・歌謡曲の未来を照らす「最優秀 演歌・歌謡曲 楽曲賞 授賞式」が、去る5月19日、古都・京都のロームシアター京都・サウスホールにて、華々しく開催されました。記念すべき初代の栄冠は、山内惠介さんの「紅の蝶」に。この日は、授賞式を一目見ようと全国各地から450名もの観覧者が集まり、会場は熱気に包まれました。オープニングを飾った和太鼓集団・舞太鼓あすか組の力強いパフォーマンスから、細川たかしさんをはじめとする豪華アーティストたちによる圧巻のステージ、そして感動の受賞発表まで、まさに演歌・歌謡曲の魅力が凝縮された一夜となりました。この記事では、その興奮冷めやらぬ授賞式本編と、豪華絢爛なコンサートの模様を余すところなくお届けします。
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MUSIC AWARDS JAPAN 2025 演歌・歌謡曲LIVE[最優秀 演歌・歌謡曲 楽曲賞 授賞式]レポート【後編】 授賞式・豪華ステージの模様をお届け!
「和」の競演で幕開け!京都の夜を彩った圧巻のオープニング
「MUSIC AWARDS JAPAN 2025 演歌・歌謡曲LIVE」の幕が上がると、まず観客の度肝を抜いたのは、奈良を拠点に世界で活躍する和太鼓集団・舞太鼓あすか組による「百花の乱〜打打打」と題されたオープニングパフォーマンスでした。魂を揺さぶるような力強い太鼓の響きは、これから始まる音楽の祭典への期待感を一気に高めます。そして、その興奮冷めやらぬ中、篠笛や尺八といった和楽器の美しい音色、勇壮な連獅子の舞と共に、演歌界の重鎮・細川たかしさんがステージに登場。歌うは、日本中の祭りを彩ってきた北島三郎さんの名曲「まつり」です。曲の途中からは、この日の出演アーティスト全員がステージに勢揃いし、会場全体を巻き込んでの大合唱となりました。「日本の伝統的なカルチャーを世界へ発信する」という本アワードのテーマにふさわしく、「和」の心を強く感じさせる、まさに圧巻のオープニングで、観客を魅了しました。
この日の司会進行は、フリーアナウンサーの松丸友紀さん。そして、共にMCを務めたのは、ミャンマー・ヤンゴン出身で俳優としても活躍する森崎ウィンさんと、オーストラリア・シドニー出身で、かつて「わらべ」のメンバーとしても知られる倉沢淳美さんを母に持つケイナさん。二人は、日本語での進行に加え、海外の視聴者に向けて流暢な英語でもアワードの魅力を伝え、国際音楽祭としての側面を強く印象付けました。冒頭のMCで日本の演歌・歌謡曲の印象を尋ねられた森崎さんは、「10歳で日本に来て日本語を覚えたので、歌謡曲や演歌を通して、日本語の美しい表現や深み、ならではの本音と建前や奥ゆかしさを学ばせていただいた」とコメント。ケイナさんも「祖父母の影響で小さい頃から演歌・歌謡曲をよく聴いていて、演歌は海外ではジャパニーズ・オペラ。日本のトラディショナル・ミュージックとして注目されているイメージです」と語り、演歌・歌謡曲が持つ普遍的な魅力を改めて感じさせました。
四季の名曲からアニメソングまで!豪華絢爛、珠玉のステージ
オープニングの興奮に続き、番組は日本の美しい四季を描いた名曲を披露するコーナーへと移りました。森崎さんとケイナさんの情感豊かな朗読に導かれるように、まずは真田ナオキさんが森進一さんの「襟裳岬」を、続いて新浜レオンさんが井上陽水さんの「少年時代」を、そして丘みどりさんが山口百恵さんの「秋桜」を、最後に長山洋子さんが石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」を、それぞれ見事に歌い上げ、会場を感動で包みました。さらに、季節に育まれた日本の風土を描く名曲を紹介するコーナーでは、全国45都道府県・164曲ものご当地ソングを歌う“ご当地ソングの女王”水森かおりさんが、代表曲の一つである「鳥取砂丘」を熱唱。その後、細川たかしさんが井沢八郎さんの「北海の満月」を高らかに歌い上げ、その圧倒的な歌唱力で観客を魅了しました。
続いては、日本が世界に誇る文化の一つであるアニメを彩った名曲のコーナー。ここでは、はいだしょうこさんが、地元の小中学生たちと結成された合唱団と共に、スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」を美しいハーモニーで披露。歌唱後、合唱団の子供たちからは「舞台に立つ前はとても緊張しましたが、みんなと一緒に歌えて楽しかったです」「一生の思い出になりました」といった、初々しい感想が聞かれ、会場は温かい拍手に包まれました。また、丘みどりさんは、オタ芸パフォーマンス集団・Fly-Nと共に、ネットカルチャーから生まれた大ヒット曲「千本桜」を華やかに歌い踊り、会場を熱狂させました。
その後、「昭和100年・戦後80年の節目の年」として、細川たかしさんが再びMCとして登場し、昭和の時代を振り返るコーナーが始まりました。昭和50年にデビューし、今年で歌手生活50周年を迎える細川さんは、「50年、歌を歌わせていただいて本当にありがたい。北海道の真狩村で育ち、子供の頃は昭和の大先輩方の演歌を聴いて、人生、希望、夢を感じていました。力強い歌が大変多かったですね。三橋美智也さん、村田英雄さん、三波春夫さん、春日八郎さん、田端義夫さん……本当にたくさんの方がいらっしゃいました。我々昭和に生まれた人間は、昭和の演歌に勇気づけられてきたんです」と、万感の思いを込めて語りました。その言葉を受け、昭和の名曲カバーコーナーでは、木村徹二さんが田端義夫さんの「かえり船」、彩青さんが村田英雄さんの「無法松の一生」、青山新さんが西田佐知子さんの「アカシアの雨がやむとき」、二見颯一さんが城卓矢さんの「骨まで愛して」、梅谷心愛さんが奥村チヨさんの「終着駅」、田中あいみさんがちあきなおみさんの「喝采」、そしてはやぶさがさくらと一郎の「昭和枯れすゝき」を、それぞれ情感豊かに歌い上げました。その後、真田ナオキさん、二見颯一さん、青山新さん、木村徹二さん、田中あいみさんがステージに揃い、坂本九さんの「明日があるさ」を熱唱。さらに、純烈、SHOW-WA、MATSURIという今をときめく3グループが初共演し、「いい湯だな」を元気いっぱいに歌い上げ、会場を大いに盛り上げました。
スペシャルコラボに続いては、京都といえば「時代劇」ということで、辰巳ゆうとさんと東映京都撮影所の殺陣集団・東映剣会(とうえいつるぎかい)による圧巻の「殺陣」のコーナーへ。森崎ウィンさんが、かつてスティーブン・スピルバーグ監督作品に出演した際に「黒澤映画を観て学んだ。三船敏郎のような侍、殺陣をやってほしい」と言われたというエピソードを披露すると、会場の期待は一層高まります。そしてステージには、新撰組・沖田総司に扮した辰巳ゆうとさんが登場。大迫力の芝居と見事な殺陣を披露した後、自身の5周年記念曲「雪月花」を熱唱し、その多才ぶりで観客を魅了しました。
そして、日本を代表する歌姫として、美空ひばりさんの生涯を紹介するコーナーでは、女性浪曲師の第一人者・玉川奈々福さんが三味線の音色と共に「浪曲 美空ひばり物語」と題してその波乱万丈の生涯を切々と語り上げ、代表曲の中から杜このみさんが「悲しき口笛」を、水森かおりさんが「川の流れのように」を歌唱。その偉大な功績をステージ上で鮮やかに描き出し、会場は深い感動に包まれました。
そして感動のフィナーレへ!初代「最優秀 演歌・歌謡曲 楽曲賞」は山内惠介「紅の蝶」に!
数々の素晴らしいパフォーマンスの後、いよいよ「MUSIC AWARDS JAPAN 2025 最優秀 演歌・歌謡曲 楽曲賞」の授賞式が始まりました。ノミネートされたSHOW-WAの「君の王子様」、新浜レオンさんの「全てあげよう」、MATSURIの「アヴァンチュール中目黒」、山内惠介さんの「紅の蝶」、そして純烈の「夢みた果実」が順番に発表され、それぞれのアーティストが感謝の言葉と共に楽曲を披露しました。(山内惠介さんは北海道ツアー中のためVTRでの出演)
SHOW-WAのリーダー寺田さんは「結成まもないSHOW-WAですが、このような素晴らしい賞にノミネートいただき、大変光栄です。これからもたくさんの夢を追いかけていきます!」と感謝を述べ、新浜レオンさんは「演歌・歌謡曲の枠を超えて、その魅力を日本を超えて海外にも届けたい。感謝の気持ちを込めて歌わせていただきます」と力強く宣言。MATSURIの渡辺さんも「僕らの歌がノミネートに選ばれて、本当に嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。これからも大切に歌っていきたい」とコメントしました。山内惠介さんはVTRで「この楽曲は25周年の今年、新しいことに挑戦したいと作っていただきました。『紅の蝶』が今日をきっかけにたくさんの方々に聞いていただけますよう頑張ってまいります。ファンのみなさま、ありがとう〜!」とメッセージを寄せ、純烈のリーダー酒井さんは「第1回の栄えある賞に純烈を選んでいただいて、ここまで応援してくださったファンに、恩返しできるワンステージにしたい」と語りました。
そして、全てのノミネート作品の発表が終わると、プレゼンターとして名優・里見浩太朗さんがステージに登場。「今回ノミネートされておりますみなさま方、本当におめでとうございます。栄えある第1回のMUSIC AWARDS JAPANの演歌・歌謡曲部門のプレゼンターを仰せつかりまして、こんなに光栄なことはございません」と挨拶し、厳かに封筒を開きました。そして、記念すべき初代「最優秀 演歌・歌謡曲 楽曲賞」として、山内惠介さんの「紅の蝶」が選ばれたことを発表しました。
会場に来られなかった山内さんに代わり、ビクターエンタテインメント株式会社の植田勝教代表取締役社長が登壇し、「情熱と炎の象徴」「希少性と栄誉」「内なる火、魂の結晶」という意味が込められた美しいトロフィー「THE RUBY(ザ・ルビー)」を授与されました。そして、山内さん本人とは急遽電話が繋がり、受賞の喜びの声が会場に届けられました。「嬉しい!ありがとうございます。まずは『紅の蝶』制作にあたりまして、支えてくださった作詞家・作曲家の先生、そしてスタッフのみなさまに感謝いたします。そして、応援してくださったファンの方、おひとりおひとりに心を込めて感謝申し上げます」と、感無量の様子で語りました。里見さんは、「若い顔ぶれが多かったですね。これからも若い人たちにどんどんいい演歌・歌謡曲を歌っていただいて、この業界を引っ張っていただきたい」と、温かいエールを送りました。
イベントのエンディングには、まず長山洋子さんが登場し、三味線の演奏と共に「じょんから女節」を力強く歌唱。そして、大トリは引き続き三味線と共に、細川たかしさんが「望郷じょんから」を熱唱。細川一門の弟子である彩青さんも尺八・三味線の演奏で華を添え、会場は万雷の拍手と歓声に包まれ、イベントは大団円のうちに幕を閉じました。この歴史的な一夜の模様は、5月25日(日)にテレビ東京系列で、6月4日(水)にBSテレ東で放送されます。ぜひ、テレビの前でこの感動を追体験してください。
演歌ニュース記事 感想
「MUSIC AWARDS JAPAN 2025 演歌・歌謡曲LIVE」の授賞式とコンサートのレポートを拝見し、日本の演歌・歌謡曲が持つ奥深さと、それを未来へ繋いでいこうとする関係者の皆様の熱い想いに、改めて感動を覚えました。和太鼓や殺陣といった日本の伝統芸能と演歌・歌謡曲の融合は、まさに「日本のソウルミュージックを世界へ」というコンセプトを体現しており、非常に見応えがあったことだろうと想像します。
山内惠介さんの「紅の蝶」が初代最優秀賞に輝いたというニュースも、彼の新しい挑戦が評価された証であり、ファンの一人として大変嬉しく思います。電話での喜びのコメントも、山内さんらしい誠実さが伝わってきました。また、SHOW-WA、新浜レオンさん、MATSURI、純烈といったノミネートされた方々のパフォーマンスや、細川たかしさん、長山洋子さんをはじめとする豪華ゲストの皆さんのステージも、きっと素晴らしいものだったのだろうなと、記事を読むだけで胸が熱くなりました。
この記事を通して、日本の演歌・歌謡曲が、伝統を大切にしながらも、新しい形で世界へと発信されていく未来に大きな期待を抱きました。テレビ放送で、この素晴らしいステージの全貌を拝見できることを、今から心待ちにしています。
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