2025年6月13日に放送されたBS朝日の番組「高見沢俊彦の美味しい音楽 美しいメシ」に、日本を代表する演歌歌手、坂本冬美さんが出演されました。今や演歌界のトップに君臨する彼女の口から語られたのは、これまであまり知られていなかったデビュー前の貴重なエピソード。故郷・和歌山県の梅干しの香りと共にあった下積みの日々と、一つの運命的な出会いが夢の扉を開いた感動の物語が、そこにはありました。誰もが知る大スターの、知られざる原点に一緒に触れてみませんか。
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坂本冬美 演歌歌手になる前に就いていた仕事明かす 和歌山出身ならでは「半年ほどですけど」
梅香る職場で育んだ夢
「こだわりの食べ物は梅干しですねえ」。番組でそう語り始めた坂本さん。彼女と梅干しとの縁は、単なる好物というだけではありませんでした。なんと高校卒業後、「歌手になる前、半年ほどですけど地元で梅干しの会社に務めていて」と、意外な経歴を明かしたのです。配属されたのは「品質管理部」。南高梅の塩分濃度などを測り、決まった計算式に当てはめて記録するという毎日。彼女自身は「単純な仕事」と振り返りますが、その合間に見せた姿こそ、後の大スターの片鱗でした。仕事が早く終わると、一人になっては来るべき日のために歌の練習に励んでいたというのです。故郷の梅の香りが満ちる職場で、少女は来るべき未来を夢見て、その美しい声を磨いていました。
運命を変えた一曲との出会い
そもそも、彼女が演歌歌手という険しい道を志したきっかけは何だったのでしょうか。そのルーツは、歌とお芝居が大好きだったというお祖父様の影響でした。幼い頃から自然と演歌・歌謡曲に親しんで育った彼女に、衝撃的な出会いが訪れたのは小学5年生の時。ラジオから流れてきた石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」に、「ビビっときまして」と語る通り、まさに雷に打たれたような衝撃を受けたのです。「私も石川さゆりさんのような演歌歌手になりたい」。その日から、少女の胸には一つの確かな夢が灯りました。どうすればその夢を叶えられるのか、具体的な道筋は分からないまま、ただひたすらに憧れだけを胸に抱き続ける日々が続きました。
夢へと繋いだ一本のカセットテープ
梅干し会社で働きながらも、夢への情熱の炎を消すことのなかった坂本さん。転機は、思いがけない形で訪れます。近所にあったカラオケ同好会のような場所に、会社の昼休憩を利用して歌いに行くようになったのです。そこで彼女の歌声を聴いた人が、その歌を一本のカセットテープに録音してくれました。この何気ない親切が、彼女の運命を大きく動かすことになります。そのテープがきっかけとなり、NHKの名物番組「勝ち抜き歌謡天国」に出場。見事に頂点へと駆け上がったのです。そして、そこで審査員を務めていた恩師・猪俣公章氏の目に留まり、内弟子への道が開かれました。故郷でのささやかな日常と人の温かさが繋いだ一本のテープが、日本を代表する歌姫誕生の序章となった瞬間でした。
演歌ニュース記事 感想
大スターである坂本冬美さんが、私たちと変わらないように地元の会社で働き、休憩時間に歌っていたというエピソードを知り、なんだかとても親近感が湧きました。特に、梅干し工場で一人になると歌の練習をしていたというお話には、胸を打たれました。どんな環境にいても夢を諦めない強い意志と、歌うことが本当に好きだという純粋な気持ちがあったからこそ、今日の坂本さんがあるのだなと感じます。石川さゆりさんへの憧れから始まった夢が、お祖父様、近所の方、そして恩師・猪俣先生と、多くの人との縁によって花開いていく物語は、本当に感動的でした。今、ご自身がプロデュースした梅干しがコンサート会場で一番売れるというお話は、彼女が故郷や人との縁をずっと大切にしている証のようで、心が温かくなりました。
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