ストリートミュージシャンの“聖地”とも言われる、神奈川県・川崎駅前。多くの若者がギターを片手にJ-POPやロックを歌う中、ただ一人、こぶしの効いた演歌を響かせ続けた青年がいました。彼の名は、須賀亮雄(すがりょお)さん、25歳。去る5月21日、彼はそのひたむきな努力を結実させ、デビューシングル「ふるさと春秋」で、ついに念願のメジャーデビューを果たしました。祖父母の影響で演歌に目覚め、憧れの北島三郎さんのような歌手になりたいと、安定した職を捨てて歌の世界へ。この記事では、路上ライブという逆境の中から夢を掴み取った、若き演歌歌手・須賀亮雄さんの、知られざる苦悩と、デビュー曲に込められた熱い想いに迫ります。
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川崎で演歌の“路上ライブ”を2年間続けて…新人歌手・須賀亮雄が掴んだ「メジャーデビューへの道」
演歌を歌うストリートミュージシャン、孤独な挑戦の日々
宮城県東松島市出身の須賀亮雄さん。彼の演歌人生の原点は、小学校1年生の時に出場したカラオケ大会でした。氷川きよしさんの「一剣」を見事に歌い上げて優勝し、その後も数々の大会でその才能を発揮。大学卒業後は一度就職したものの、「演歌歌手になりたい」という子供の頃からの夢を捨てきれず、23歳で安定した生活に別れを告げ、歌の世界へ飛び込むことを決意します。「両親ですか?まあ、僕が演歌好きだっていうことは知っていましたから、特に母は“すぐ辞めると思っていたよ”と怒るどころか、僕の決断を応援してくれました」と、当時を振り返ります。
しかし、所属事務所も決まっていない中、彼が選んだ道は「路上ライブ」という、まさに裸一貫の挑戦でした。場所は、数々の人気ミュージシャンを輩出してきた川崎駅前。とはいえ、彼が歌うのは演歌。ギターをかき鳴らす若者たちの中で、スマホから流れる演歌の音源に合わせてマイクを握る彼の姿は、異彩を放っていたに違いありません。「確かに、演歌を歌っているストリートミュージシャンは僕だけじゃないですかね(笑)。やっぱり最初の一人を止めるまでがすごく大変でした。空間に向かって歌い続けるような感じで、もう練習だと思ってずっとやっていました」と、その孤独な戦いを語ります。失うものは何もない、ただ歌えるだけで幸せだ。その一心で、彼はストリートに立ち続けました。
ゼロからのスタート、ファンとの絆が夢を繋いだ
路上ライブを始めた当初、彼の歌声に足を止める人はほとんどいませんでした。「初めの半年くらいは、お客さまゼロって言ってもいい感じでした」と語るように、先が見えない日々は、彼の心を何度も折れそうにさせたことでしょう。しかし、彼のひたむきな歌声と、その珍しさに、やがて一人、また一人と、いつも来てくれる常連のファンがつき始めます。「何人か止まっていると、“何だろう”って興味を持ってくださって、集まってくださるんですよね」。
演歌というジャンルもあってか、ライブのスタートは昼過ぎの13時ごろから。観客の年齢層は比較的高めでしたが、彼の熱意ある歌声は着実に人々の心を掴み、最終的には30~40人もの人だかりができるほどの人気者となりました。そして、その熱い路上ライブの光景が、現事務所の関係者の目に留まり、ついにスカウトの声がかかります。そこからはトントン拍子に話が進み、コロムビアレコードからのメジャーデビューという、大きな夢を掴み取ったのです。ストリートに立ち続けて約2年。「短いようで長かったかな。本当に先が見えなかったのはつらかったですね。でも、ここまで来られたのも、やはり応援してくれたファンの人たちがいたので、本当に頑張れたかなと思います。1つ1つ足跡を振り返ってみると、1日1日が濃かったんですね」と、感慨深げに語る彼の表情には、ファンへの深い感謝の気持ちが溢れていました。
デビュー曲「ふるさと春秋」、94歳の祖父へ捧ぐ“孫”からのアンサーソング
須賀亮雄さんのデビュー曲となった「ふるさと春秋」は、孫がおじいちゃんへの想いを歌う、心温まる一曲です。実は、この楽曲は、彼の人生と深く重なる、特別な意味を持つ歌でした。「僕の94歳になる、じいちゃんはずっと遠洋漁業船の機関長で、何十年も船に乗っていました。この歌に出てくるおじいちゃんは畑仕事をしているんですが、歌詞にある《真っ黒なじいちゃんの手のあたたかさ》というのは、本当にぴったり重なるんです。あの黒くてしっかりしたじいちゃんの手を思い出し、仮歌のメロディーと譜面を見たときには、もうジーンときちゃって、ボロボロに泣けましたね。《一生懸命生きてきた》っていう歌の出だしとも重なる、本当に自慢の祖父なんです」。
デビューの報告を受けたおじいちゃんは、「いい歌もらったな」と、とても喜んでくれたと言います。かつて、大泉逸郎さんの「孫」が、祖父から孫への想いを歌い大ヒットしましたが、その逆の視点で歌われる楽曲は、ありそうでなかったかもしれません。大好きなおじいちゃんへの感謝と尊敬の念を込めて歌い上げる須賀さんの歌声は、同じように孫を持つ多くの高齢者の方々にとって、大きな希望と感動を与えるに違いありません。路上で磨き上げたその歌声で、今、彼は全国のファンの心に、温かい物語を届け始めました。
演歌ニュース記事 感想
新人演歌歌手・須賀亮雄さんのデビューに至るまでの記事を拝見し、まずそのひたむきな努力と、夢を諦めない強い意志に、深く心を打たれました。川崎駅前という、若者向けの音楽が主流の場所で、たった一人、演歌を歌い続けたというエピソードは、彼の演歌への深い愛情と、何としても歌手になりたいという情熱の表れだと感じます。最初は誰も足を止めてくれなかったという孤独な状況から、少しずつファンを増やし、ついにはメジャーデビューの夢を掴んだという物語は、まるで映画のワンシーンのようです。
特に印象的だったのは、デビュー曲「ふるさと春秋」が、彼自身の94歳のおじいちゃんへの想いと重なるという部分です。遠洋漁業船の機関長だったというおじいちゃんの、黒くてしっかりした手を思い出し、歌を聴いて涙したというエピソードには、思わずこちらも胸が熱くなりました。歌は、歌い手の人生そのものが反映されることで、より深い感動を生むのだと、改めて感じさせられました。
この記事を読んで、須賀亮雄さんという歌手を心から応援したいと思いました。路上ライブで培った精神力と、ファンへの感謝の気持ち、そしておじいちゃんへの温かい想いを胸に、きっと彼は多くの人々に愛される素晴らしい歌手へと成長していくことでしょう。

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