「歌わないと始まらない」― どん底の竹島宏に光を灯した言葉。挫折を力に変えた男が今、熱く鳴き叫ぶ。

ムード歌謡の実力派として、デビューから20年以上にわたり甘い歌声を届け続ける竹島宏さん。6月11日には待望の新曲「小夜啼鳥の片思い」をリリースし、その活動は順風満帆に見えます。しかし、近年のインタビューで明かされたのは、その優しい笑顔の裏に隠されていた、歌手生命をも揺るがすほどの大きな挫折でした。誰もが確実視した紅白歌合戦への出場を逃した夜、彼は何を想い、涙したのか。そして、どん底にいた彼を救い上げた、ある作詞家の魔法のような言葉とは。全ての経験を力に変えて歌う、彼の魂の物語に耳を傾けてみませんか。

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ムード歌謡の歌い手・竹島宏「覚えていないくらいショックで……」涙ながらに語った“紅白落選”の絶望と、心に光を灯した松井五郎の言葉

涙に暮れた紅白落選の夜

あれは2017年のことでした。シングル「月枕」が10万枚を超える大ヒットとなり、その年の演歌・歌謡曲界で大きな注目を集めた竹島さん。誰もが、年末の大舞台への初出場を信じて疑いませんでした。しかし、発表された出場者リストに彼の名前はなく、その夢は無情にも打ち砕かれます。「その時のことはもう……覚えていないぐらいショックで」。インタビューで彼は、涙を浮かべながら当時を振り返りました。ファンクラブにはファンからの悲しみの電話が鳴りやまず、彼自身も翌日のレコーディングが手につかないほどの絶望を味わったと言います。それは、デビュー以来走り続けてきた彼が初めて経験する、あまりにも大きな挫折の瞬間でした。

魂に光を灯した「魔法の言葉」

歌手を続ける意味さえ見失いかけていたかもしれない、そんな暗闇の中に一筋の光を灯したのは、作詞家の松井五郎さんがかけてくれた言葉でした。「歌うことを止めてしまうと、そのスタート地点にすら立てないから。だから竹島くんも歌い続けてね」。どんな名曲も、歌い手がいて初めて世に出る。結果がどうであれ、歌い続けないことには何も始まらない。この言葉が、彼の心をどれほど救ったことでしょう。コロナ禍で思うように活動できず、「魂の抜け殻」のようになった時も、彼はファンを想い、SNSで毎日「花だより」を届け続けました。あの日、松井さんが灯してくれた光を胸に、「歌い続ける」という誓いを守り抜いたのです。その誠実な歩みは、決して無駄にはなりませんでした。

全ての想いを乗せて鳴き叫ぶ、小夜啼鳥のように

そして今、彼は全ての経験を力に変え、新曲「小夜啼鳥の片思い」を熱く歌い上げます。この曲は、愛する皇帝のために命尽きるまで美しく鳴き続けたという、アンデルセン童話の小夜啼鳥(ナイチンゲール)がモチーフ。「愛する人を救うために鳴き続ける」というスタンスで歌っていると彼は語ります。年初に経験したミュージカルの舞台を経て、その表現力はさらにダイナミックさを増しました。「頭からアクセル全開にして情熱的に歌い上げてください」という彼の言葉通り、それはまさに魂の叫び。挫折の痛みを知り、人の温かさに触れた彼だからこそ歌える、力強くも切ない愛の歌が、今、私たちの心に響きます。

演歌ニュース記事 感想

これまで竹島宏さんには、甘いマスクでスマートに歌いこなす王子様のような印象を持っていました。しかし、この記事を読んで、これほど大きな挫折を乗り越えてきた彼の人間的な側面に触れ、一気にその歌声が持つ深みの意味が分かったような気がします。特に心に響いたのは、やはり松井五郎さんの「歌わないと始まらない」という言葉です。順風満帆に見える人の裏には、計り知れない苦悩があり、それを支える人々の温かい存在がある。そのことに改めて気づかされ、胸が熱くなりました。新曲のタイトルが、自分の身を削るようにして美しい歌を届ける「小夜啼鳥」というのも、まるで彼の生き様そのものを表しているかのようです。彼が歌う「愛しても、愛しても」というフレーズは、きっと多くの人の心を掴んで離さないでしょう。彼の魂の叫びが、多くの人に届くことを願わずにはいられません。

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