2025年4月5日、都内のホールが優しさと熱気に包まれました。演歌歌手・津吹みゆさんが、デビュー10周年を記念したコンサート「10周年記念コンサート〜どんと響く、みゆワールド〜」を開催し、詰めかけた650人のファンとともに、節目を華やかに祝い上げました。
2015年のデビュー以来、愛される“ピュアボイス”で着実に実力を積み重ねてきた津吹さん。福島出身の彼女が、10年の感謝を込めて挑んだこの日のステージは、歌に芝居を融合させた新たな試みや、思いがけない“夢の告白”まで飛び出し、まさに“みゆワールド”の真骨頂。
どんな歌が披露され、どのような思いが語られたのでしょうか。くノ一を夢見る演歌歌手──その魅力と進化の軌跡を、じっくりとお届けします。
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津吹みゆ ファンに感謝の10周年 「くノ一になるのが夢」
歌に芝居を織り交ぜた「新生・津吹みゆ」
この日のステージで最も注目を集めたのは、2022年リリースの人気曲「壇ノ浦恋歌」を大胆にリメークした「歌語り 壇ノ浦恋歌」の初披露でした。歌詞に語りと芝居を織り交ぜる構成は、まるで短編ドラマを観るかのような新鮮さ。
思い人と結ばれた後、連絡が取れなくなった女性の切ない想いを、情感たっぷりの歌声とセリフで丁寧に表現。時折入る芝居の所作にも説得力があり、観客は息を呑みながら見守っていました。
「色気より食い気の私に、この曲が歌えるのか不安だった」と本人は笑いますが、レコーディング時にはスタッフから「これは新しい津吹だね」と背中を押されたそう。舞台やミュージカルが大好きだという津吹さんにとって、この“芝居仕立て”の表現は、今後の可能性を大きく広げる一歩となったようです。
10年間の感謝をメドレーで届けた時間
もちろん、ファンが待ち望む津吹みゆらしい真っ直ぐな演歌もしっかりと披露されました。デビュー曲「会津・山の神」や「会津なみだ橋」など、自身の故郷・福島をテーマにした楽曲を含むシングル8曲のA面をメドレーで熱唱。10年の軌跡をなぞるかのような選曲には、ファン一人ひとりへの思いが込められていました。
さらに、都はるみさんの名曲「さよなら海峡」など、カバーにも挑戦。原曲の魅力を大切にしながらも、どこか津吹さんらしい清らかさと誠実さがにじむ歌唱に、客席からは幾度となく拍手が湧き起こりました。
全23曲を歌い切るステージには、確かな成長とプロとしての責任感が感じられ、「10年」という節目にふさわしい、濃密な時間が流れていました。
ファンへの想い、そして“くノ一”という夢
コンサート前に行われた取材会では、終始穏やかな笑顔で報道陣の質問に応じた津吹さん。5年前の5周年はコロナ禍で満足な開催ができなかったこともあり、今回の記念コンサートに特別な思いがあったと語ります。
「ファンの皆さんの存在が、私にとって一番の原動力なんです」と話し、「今日ステージに立てるか不安だった日も、“みゆちゃん、待ってたよ!”の声に背中を押された」と、何度も感謝の気持ちを口にしていました。
そんな中、取材の終盤で飛び出したのが「小さい頃から、くノ一になるのが夢だったんです!」という驚きの一言。
「のど自慢に出場して演歌歌手の道に進んだけれど、くノ一への憧れはずっとあったんです」と、目を輝かせる津吹さん。なんと現在は、舞台出演に備えて殺陣の稽古を始めたのだとか。「“くノ一役できます!”って言えるように、準備しています!」と話す姿からは、まっすぐな夢への情熱が伝わってきました。
歌、芝居、夢──。彼女の進化はまだまだ止まりません。
演歌ニュース記事 感想
記事を読んでまず感じたのは、津吹みゆさんの人柄の温かさと、まっすぐな努力が音楽ににじみ出ているということです。「歌語り」や芝居を取り入れる姿勢に、ただ演歌を歌うだけでなく、表現者として新しいステージを模索している姿が見えました。
それにしても“くノ一になりたかった”という話には思わず笑ってしまいましたが、そこにも芯の強さを感じます。やりたいことを口に出して、それを実現させるためにちゃんと準備まで始めているなんて、なかなかできることではありません。
10周年というと一つのゴールにも見えますが、津吹さんにとってはむしろここからが本当のスタートなのかもしれません。歌手としても、舞台人としても、これからどんな「みゆワールド」を見せてくれるのか、楽しみです。
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