11月28日、東京・新宿のライブレストラン「ガルロチ」にて、演歌歌手の多岐川舞子さんがバースデー記念ライブを開催しました。艶やかな着物姿でアルトサックスを構えるその凛とした姿は、まさに唯一無二。しかし、今年のステージには例年とは違う、特別な「想い」が込められていました。
今年3月、彼女を歌手の道へと導いた最愛のお父様が他界されました。悲しみを乗り越え、父への感謝を胸に立ったステージ。そこで披露されたのは、父と最後に共有した新曲「お別れメランコリー」でした。
涙とジャズの音色、そして演歌の魂が交錯した一夜。なぜ彼女は悲しみの中でステージに立ち続けることができたのか、そして天国の父へ届けた誓いとは何だったのか。心揺さぶられるライブの模様と、多岐川さんの新たな決意について詳しくお伝えします。
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「着物×アルトサックス」多岐川舞子が亡き父に捧げる誕生日ライブ開催「今日も天国から出席」
新宿の夜に響く「演歌×ジャズ」の新しい風
今回のライブ会場となった新宿「ガルロチ」は、多岐川さんにとって涙も笑顔も刻まれた思い出深い場所です。そんな特別な地で、彼女は新たな試みに挑戦しました。それは、新宿で出会ったミュージシャンたちと結成した一夜限りのスペシャルバンドによる生演奏です。「今日がデビュー」と語る彼らとのセッションは、演歌の枠を軽やかに飛び越えるような高揚感に包まれていました。
特筆すべきは、やはり多岐川さんの代名詞ともなりつつある「着物でサックス」のパフォーマンスでしょう。和の装いで金色の管楽器を操る姿は、視覚的なインパクトも抜群です。さらに今回はピアノの弾き語りも披露するなど、楽器演奏という「武器」を存分に発揮。千昌夫さんも太鼓判を押したというこのスタイルは、演歌ファンのみならず、音楽好きなら誰もが唸るようなエンターテイメントとして完成されつつあります。
「いいな!」病床の父が最後に遺した言葉
華やかなステージの裏側には、胸が締め付けられるような別れの物語がありました。多岐川さんが「父がいなかったら、こうやって歩いてこなかった」と語るほど、深く愛してくれたお父様との別れ。今年3月のことでした。しかし、その悲しみの中でも、音楽は二人を繋いでいました。
新曲「お別れメランコリー」のデモ音源が完成したのは、お父様が亡くなるわずか4日前。入院中のベッドでその歌声を聴いたお父様は、「おっ、いいな!」と声を弾ませてくれたそうです。それが、父と娘が共有した最後の楽曲となりました。新曲を出すたびに一番に聴いてもらっていたという多岐川さんにとって、この曲は単なる新曲以上の、父への「手紙」のような存在になったに違いありません。「今日は天国から出席してくれていると思う」と語るその表情は、寂しさの中にも強い絆を感じさせるものでした。
悲しみを「メランコリー」に変えて進む未来
最愛の人を見送るという、人生で最も心の振り幅が大きかった1年。それでも多岐川さんが前を向けたのは、やはり歌があったからでした。「新曲を出すことがあったから頑張れた」という言葉には、プロフェッショナルとしての矜持と、歌うことで悲しみを昇華しようとする人間味の両方が滲み出ています。
ライブ後半では、サザンオールスターズの「愛はスローにちょっとずつ」をカバー。これは、今回の新曲の制作においてインスピレーションを受けた曲でもあります。恋愛の歌でありながら、亡き人への想いを重ね合わせたその歌声は、会場のファンの心に深く染み渡りました。来年に向けて「軸は演歌でしっかりやりつつ、サックスや歌を極めて認知してもらいたい」と語った多岐川さん。悲しみを乗り越え、楽器という武器を手にした彼女は、演歌歌手として、そして一人の表現者として、より一層の深みを増していくことでしょう。
演歌ニュース記事 感想
この記事をまとめていて、最も心に残ったのは「デモテープをお父様に聴かせた」というエピソードです。亡くなる4日前に「いいな」と言ってもらえたという事実は、多岐川さんにとってどれほど大きな心の支えになっていることでしょう。想像するだけで目頭が熱くなります。
また、悲しみに暮れるだけでなく、それを「着物でサックス」という斬新なパフォーマンスのエネルギーに変えている点に、演歌歌手としての底知れぬ強さを感じました。「演歌」という伝統的な世界に、ご自身の特技や現代的なポップスの要素(サザンオールスターズへのリスペクトなど)を柔軟に取り入れていく姿勢は本当に素敵です。お父様もきっと、天国の特等席で「舞子、かっこいいぞ!」とサックスの音色に聴き入っていたのではないでしょうか。これからの「多岐川舞子の世界」がどう進化していくのか、非常に楽しみになるニュースでした。

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