昨年6月、卵巣がんの治療のため、多くのファンに惜しまれながら活動を休止していた演歌歌手の市川由紀乃さんが、約半年間に及ぶ壮絶な闘病生活を乗り越え、ついに本格的な再始動を果たします。来る5月19日、埼玉・サンシティ越谷市民ホール大ホールにて、復帰後初となる待望の単独コンサート「ただいま!」を開催。そして翌20日には、今年の勝負曲と位置付ける復帰後初の新曲「朧(おぼろ)」をリリースします。かつて燃え尽き症候群による活動休止も経験した彼女にとって、これはまさに“2度目の復活”。絶望の淵から再びマイクを握る喜び、そして支えてくれた全ての人々への「ありがとう」の想いを胸に、市川由紀乃さんが新たな歌人生の幕を開けます。この記事では、復帰コンサートを目前に控えた市川さんの、知られざる闘病の日々と、歌への変わらぬ情熱、そして未来への力強い一歩に迫ります。
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市川由紀乃 卵巣がん乗り越え2度目の復活 病床でも抱き続けた「歌いたい」という思い
絶望の日々、それでも「歌いたい」という消えない炎
「とにかく皆さんの前でまた歌いたい。その一心でした」。市川由紀乃さんの言葉には、歌への渇望と、ファンへの深い想いが滲み出ています。昨年、卵巣腫瘍の疑いという突然の宣告を受け、目の前が真っ暗になったという市川さん。それは、念願だった俳優・松平健さんの座長公演の稽古に励んでいる最中の出来事でした。「言葉が出なくて、時が止まったようでした。母と一緒に診断を聞きに行ったのですが、母が一生懸命に『ここは病気を治そう』と励ましてくれて。いつも明るい母ですが、闘病中はより一層明るく振る舞ってくれました」と、当時の衝撃と家族の支えを語ります。
7月には悪性腫瘍か診断するための開腹手術を受け、その場で卵巣がんであることが判明。そのまま6時間にも及ぶ卵巣・子宮・リンパ節・腹膜の摘出手術が行われました。女性として子を宿せなくなるという現実に直面しながらも、「『女性の大切な部分を失う』という思いより、『歌い続けたい』という気持ちが大きかったです。ファンの皆さまに『もうダメかな』と思ってもらいたくなくて。生きて歌を皆さんに届けたい。その一心だったので、躊躇はしませんでした」と、歌への強い執念が彼女を支えました。しかし、術後の痛みは想像を絶するものでした。「何かに包まっている感覚があって、いっそ殺してくれと思った。この痛みには耐えられないって」。看護師2人に体を起こしてもらわないとトイレにも行けず、筆舌に尽くしがたい苦しみを味わったと言います。
抗がん剤治療の苦悩と、由紀さおりからの“愛の喝”
手術後、さらなる試練が市川さんを襲います。精密検査の結果、「卵巣がんステージ1」と診断され、8月からは抗がん剤治療が始まりました。副作用で、彼女のトレードマークでもあった美しい黒髪のロングヘアはごっそりと抜け落ち、鏡に映る自分の姿に「自分じゃない」と深く落ち込みました。開腹手術の傷は、腹筋に力を入れるたびに激しく痛み、歩くことも、そして何より歌うこともままならない日々が続きました。大好きだった音楽番組も、見るのが辛くてチャンネルを変えてしまうほど、心も体も疲弊しきっていたのです。
「一時は歌手活動を断念することも頭によぎった」と明かすほど、追い詰められていた市川さん。そんな彼女を精神的に支えたのは、ファンからの温かい千羽鶴や手紙、そして先輩歌手たちの励ましの言葉でした。特に、病気を知るきっかけを与えてくれた由紀さおりさんとのやり取りは、彼女にとって大きな転機となります。治療に弱気になっていた頃、「もう一度歌える日が来た時には、またご指導お願いします」と由紀さんにメールを送ったところ、返ってきたのは「必ずもう一度歌うの。何のために苦しみに耐えているの」という、厳しくも愛情に満ちた“喝”でした。「涙が止まりませんでした」と語る市川さん。この言葉が、再び彼女の心に火を灯し、前を向く力を与えてくれたのです。闘病中は、気持ちを奮い立たせるために矢沢永吉さんの曲もよく聴いていたそうで、「もちろんロックで気分も上がりましたし、何よりも永ちゃん語録には心を救われました。強い気持ちを保つことができました」と、音楽の持つ力にも助けられたことを明かしました。
2度の休止を乗り越えて掴んだ「生」の喜びと、新たな歌人生の幕開け
市川由紀乃さんにとって、活動休止はこれが初めてではありませんでした。2002年4月から約4年半、燃え尽き症候群のために一度歌の世界から離れた経験があります。「あの経験がなければ、今私がこうやって戻ってはこられなかったと思います」と、過去の経験が今回の闘病生活を乗り越える上での糧になったと語ります。「あのときは自分で一度歌から離れる決断をしました。20代の私は全てをゼロにしたかったのですね。でも、今回は歩みを止めたくなかったのに、止まらざるを得ない。気の持ちようは違いました。もし、20代でこのような病気になり、歩みを止めるとなれば、復活はかなわなかったと思います。年齢を重ねて、強くなれました。一度目の休養を経験してなければ、復活はなかったとも思います」。
辛い闘病を経て、彼女の生きる姿勢にも大きな変化が訪れました。「朝、目が覚めたら『今日も生きていられる』と思うようになりました。生の喜びを毎日感じています。今までは朝起きてそんなに前向きになれなかったです。もちろん、歌に乗せたい思いも違います。昨年12月にやっと歌えるようになったのですが、当時の感動は忘れられません」。そして、今年3月4日放送のNHK『うたコン』でテレビ復帰。リハーサルから涙が止まらなかったという彼女に、由紀さおりさんは「本番は皆さんに泣かずに良い歌を届けなさい。元気になった姿を見せるのよ」と再び背中を押してくれました。その言葉を胸に、市川さんは美空ひばりさんの代表曲「人生一路」を見事に歌い上げ、完全復活を印象付けました。
そして迎える、復帰後初の単独コンサート「ただいま!」。市川さんは、「1曲目、危ないですね。皆さんの顔を見たら、感情がこみ上げてくると思います。泣いてくださる方を見つけてしまったら、なおさらもらい泣きしてしまうでしょうね。でも、プロとして泣かずに歌うことが感謝の恩返しになるはずです」と、万感の思いを語ります。コンサート翌日の20日には、復帰後初の新曲「朧」も発売。「自分の思いと魂を込めた歌です。この歌で新たな歌手人生が始まります。私と同じく病気に悩んでいる方に元気とエールを届けられたら」。多くの苦難を乗り越え、再び私たちの前に立つ市川由紀乃さん。その歌声は、以前にも増して深く、温かく、私たちの心に響き渡ることでしょう。
演歌ニュース記事 感想
市川由紀乃さんの壮絶な闘病と、そこからの見事な復活劇に関する記事を拝見し、まず何よりも彼女の精神力の強さと、歌への揺るぎない愛情に深く心を打たれました。「歌い続けたい」という一心で過酷な治療に耐え、そして再びステージに戻ってくるその姿は、多くの人に勇気と希望を与えるものだと感じます。
特に印象深かったのは、由紀さおりさんとのエピソードです。的確なアドバイスで検査を促し、そして闘病中には力強い言葉で励ます。先輩後輩という関係を超えた、深い絆と愛情が感じられ、読んでいて涙がこぼれそうになりました。また、市川さんが「全ての人や物にありがとうと思うようになった」と語る人生観の変化にも、彼女の人間的な深みを感じました。
この記事を通して、市川さんの復帰コンサート「ただいま!」が、どれほど多くの人々の想いが詰まった、感動的なステージになるのだろうかと想像が膨らみます。新曲「朧」も、彼女の魂が込められた一曲として、きっと多くの人の心に届くことでしょう。市川由紀乃さんの新たな歌人生の輝かしいスタートを、心から応援したいと思います。

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