12月30日、東京・新国立劇場の華やかなステージで開催された『第67回 輝く!日本レコード大賞』。今年も数々のドラマが生まれましたが、演歌・歌謡曲ファンにとって最大の衝撃と感動を与えてくれたのは、特別賞を受賞した細川たかしさんのパフォーマンスだったのではないでしょうか。芸道50周年という、半世紀にもわたる輝かしい歩みを凝縮したようなそのステージは、まさに「伝説」と呼ぶにふさわしいものでした。
細川さんの他にも、松田聖子さんや矢沢永吉さんといった時代を創ってきたレジェンドたちが名を連ねる中、細川さんが見せつけたのは、他の追随を許さない圧倒的な「声」の力です。記事を追いかけるだけでも、その場の熱気が肌に伝わってくるような臨場感がありました。一体、どのような演出で観客を圧倒し、どのような想いでマイクを握ったのか。大みそか前夜に刻まれた、魂のステージの全貌をご紹介します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c0dff3b1aed44c505b937f02a9384fbac32437b
【レコ大】特別賞細川たかし圧倒的歌唱力を披露 三味線50丁をバックに「望郷じょんから」
芸道50年の重みを「あっという間」と笑い飛ばす余裕と茶目っ気
ステージに登場した細川さんは、まず昭和歌謡の金字塔「北酒場」で会場を一気にお祭りムードへと変えました。軽快なリズムに乗せて響くその伸びやかな歌声は、75歳という年齢を全く感じさせない若々しさに溢れています。司会の安住紳一郎アナウンサーや川口春奈さんとのトーク中には、50年前のデビュー曲「心のこり」のフレーズを「私ばかよね〜♪」と即興で披露する一幕もあり、そのサービス精神に会場は温かな笑いに包まれました。
「気が付けば50年。あっという間でした」と振り返るその言葉の裏には、どれほどの努力と研鑽があったことでしょう。しかし、それを少しも重苦しく感じさせないのが、細川たかしという歌手の懐の深さです。50年という歳月を「楽しかった」と総括するかのような晴れやかな笑顔が、何よりも印象的でした。
前代未聞の迫力!50丁の三味線が共鳴した魂の「望郷じょんから」
今回のハイライトは、何と言っても「望郷じょんから」の演出でした。芸道50周年に合わせ、背後に並んだのはなんと50丁もの三味線。ずらりと並んだ奏者たちが一斉に撥を叩く姿は、まさに壮観の一言に尽きます。新国立劇場の広い空間が、一瞬にして津軽の冬の情景へと塗り替えられました。
三味線の激しい連打に負けるどころか、それを力強く先導していく細川さんの歌唱力には、テレビの前で言葉を失った方も多かったはずです。唸るような低音から、天を突き抜けるような高音まで、一音一音が魂を削り出すかのように響き渡りました。50丁の三味線という、ともすれば歌手が飲み込まれてしまいそうな強烈なバックを、自らの声一本で掌握してしまう姿は、まさに演歌界の怪物の面目躍如といったところです。
喉を保つストイックな習慣と、オペラの殿堂に響いた意外な歌声
歌声を保つための秘訣として明かされたルーティンも、非常に興味深いものでした。一つ目は、歌う前日はお酒を少し控えるという、プロとしての誠実な節制。そして二つ目が、意外にも「カンツォーネ」への傾倒です。発声のトレーニングを兼ねて練習しているという「オー・ソレ・ミオ」の冒頭を披露すると、そのあまりの響きの良さに、会場中が感嘆の溜息に包まれました。
安住アナが「この会場はオペラもやっていますから、本当にずっと聞いていたい」と絶賛した通り、ジャンルこそ違えど、本物の発声術は場所を選ばないのだと改めて知らされました。演歌という枠を越え、常に高みを目指して喉を鍛え続ける姿勢こそが、50年もの間、第一線で君臨し続けられる最大の理由なのでしょう。放送を締めくくるにふさわしい、まさに最高峰の歌声でした。
演歌ニュース記事 感想
この記事を読み、50年という歳月の重みを改めて噛み締めました。細川たかしさんが「あっという間だった」と語る一方で、50丁もの三味線を従えて歌う姿を想像すると、その裏にある並外れた覚悟と努力が透けて見えるようで、胸が熱くなります。私自身、最近は若手の勢いばかりに目が行っていましたが、こうして圧倒的な力を見せつけられると、「やはり演歌の真髄はここにある」と確信いたしました。
特に印象に残ったのは、演歌のルーティンとしてカンツォーネを歌っているというエピソードです。75歳にしてなお、自分の歌唱法を広げるために新しいジャンルの発声を取り入れるその向上心。そこに、私たちが日々を生きる上での大切なヒントが隠されている気がしてなりません。オペラの殿堂で響いた「オー・ソレ・ミオ」と、その直後の「望郷じょんから」。この対比こそが、現代に生きる演歌歌手の、最もかっこいい姿ではないでしょうか。

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