表現力がすごい!演歌のこぶしとは?

独特の情緒を醸し出す 演歌のこぶしを詳しく解説!

演歌の「こぶし」とは、日本独特の歌唱テクニックであり、微妙な節回しの歌い方を指します。演歌や民謡などのジャンルで広く使われており、特にクライマックスや感情を込めた部分で効果的に表現されます。しかし、一般的な歌の技術としてはあまり浸透していないため、知名度は低いかもしれません。

「こぶし」の由来は、楽譜には表記されない微妙な節回しの歌い方から「小節(こぶし)」と呼ばれるようになったと言われています。特徴的な点は、装飾的に音程を上下させることで、歌詞の意味を強調したり、より表現力豊かな歌い方を実現することです。一部の楽譜に「こぶし」を入れる箇所に「?」が付いていることもありますが、それを入れるか否かは歌う人の自由です。

「こぶし」を使う際には、母音の余韻で力を抜いて軽く入れるようにする必要があります。ただ音程を上下させるだけでなく、上手く使うためには正確なコントロールが必要です。こぶしを使うことで、歌の一音に装飾音をつけて節を回し、より豊かな表現が可能になります。

「こぶし」の出し方には、以下のようなコツがあります:

  1. 母音を2回歌う:「こぶし」を効かせたい部分では、母音を2回歌うことで強調します。「あなたに会いたくて」という歌詞を例に挙げると、「あなたにー会いたくてー」の「あなたに」の箇所をこぶしを効かせて歌う場合は、伸ばす際に「に」の母音である「い」を2回歌います。このように意識して母音を2回歌うことで、カラオケ採点で「こぶし」と判定されるでしょう。
  2. 実際にこぶしを握る:こぶしを効かせたいところで、手のひらを握ることで体に力が入り、自然に伸ばす音を強調しやすくなります。こぶしは音を上下に震わせるテクニックなので、それぞれの音に音程の変化をつけることがポイントです。初めは音程を微妙に変えるのが難しいかもしれませんが、音量を変えることから始めると良いでしょう。ほとんどの人は声を強く出すと、自然と音程も変わります。例えば、「にーいいー」と歌う時に最初の「い」だけを強く歌うように意識すると、結果的にこぶしを効かせたように聴こえます。

演歌や民謡などのイメージが強い「こぶし」ですが、実はポップスやロックなどの分野でもよく使われています。こぶしを使うことで、個性的な歌い方になり、他の歌手と差をつけることができます。ただし、「こぶし」を使う際には、適切なタイミングで使うことが重要です。使いすぎると逆効果になり、歌詞や歌声よりもこぶしばかりが目立ってしまうこともあります。

「こぶし」と「ビブラート」は似ているようで異なる歌唱テクニックです。ビブラートは音を規則的に上下させる技術で、安らぎや心地よさを与える効果があります。一方の「こぶし」は、一時的に音を急激に上げたり徐々に下げたりする不規則な変化をする技術です。どちらの発声においても、腹式呼吸とロングトーンの要素が不可欠ですが、「こぶし」は力強い歌の場合に特に効果的だと言われています。

「こぶし」は日本独自の歌唱テクニックであり、他の国では「フェイク」と呼ばれることもあります。こぶしをマスターするためには、基本的な歌唱力を磨くことが大切です。安定したロングトーンや、息のコントロールなどを練習することで、こぶしの効果的な使い方が身につくでしょう。

終わりに、こぶしを使って歌にメリハリをつけ、より表現豊かな歌い方を目指しましょう。ただし、こぶしやビブラートを使うのは自分自身の表現により良い表現力を追求するためであり、見栄えを良くするためだけでなく、伝えたいメッセージや感情をより深く伝える手段として捉えることが重要です。こぶしを使う際には、歌詞とメロディをしっかりと理解し、自分自身の世界観や音階で表現することが必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました