深夜や早朝、テレビをつけると流れていた美しい風景映像とともに、懐かしの名曲が静かに響く──そんな独特のスタイルで長年愛されてきたCD通販番組「音楽のある風景」が、2024年3月をもって23年の歴史に幕を閉じます。華やかなタレントが登場する一般的な通販番組とは一線を画し、落ち着いた雰囲気の中で音楽の魅力を伝え続けた本番組は、特にシニア層を中心に根強い人気を誇りました。
では、この長寿番組がなぜここまで支持され続けたのか? また、CDというメディアが売れにくくなった現代においても、高額なセット商品が売れ続けた理由とは何だったのでしょうか。その秘密を探ります。
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CD通販番組「音楽のある風景」が23年の歴史に幕… 1万円超の高額セットが売れ続けたワケ
番組の独自性と成功の要因
「音楽のある風景」は、ただCDを売るだけの番組ではありませんでした。23年もの間、多くの人に愛された背景には、いくつかの理由があります。まず、放送時間の妙。
BS日テレ、BSフジ、BS朝日、BS-TBSといった複数のBS局で、深夜や早朝に放送することで、視聴者の心を静かに捉えました。美しい自然や街並みの映像と共に流れる名曲は、忙しい日常の中で、まるで一服の清涼剤。リラックスした状態で、じっくりと商品の購入を検討できる、そんな特別な時間を提供していたのです。
そして、何と言っても魅力的なのが、CDセットの内容です。ユニバーサルミュージックが中心となり、演歌・歌謡曲はもちろん、フォーク、ロック、J-POP、ジャズ、クラシックまで、幅広いジャンルを網羅。誰もが「懐かしい」と感じる楽曲を厳選し、5枚組のセットとして商品化。この充実した内容が、多くの人の心を掴んで離しませんでした。
高額商品が売れ続けた理由
今や音楽は、スマホひとつで聴き放題の時代。CDショップの数は減り、音楽の聴き方も大きく変わりました。そんな中、「音楽のある風景」のCDセットは、1万円を超える価格にもかかわらず、なぜ売れ続けたのでしょうか?そこには、いくつもの理由が重なり合っていました。
まず、特筆すべきは、その選曲と企画力。ただ古い曲を寄せ集めただけではありません。「昭和の名曲100選」や「心に響くバラード集」のように、明確なテーマを設け、まるで物語を紡ぐように楽曲を構成。聴く人の心を掴み、購買意欲を掻き立てる、そんな魅力的な企画が光っていました。
そして、CDという「モノ」を所有することへのこだわり。特に年配の視聴者にとって、「手元に残る形で名曲を所有したい」という気持ちは強く、CDは単なる音楽メディアではなく、大切なコレクションアイテムとしての価値を持っていたのです。
さらに、他社との協力も大きな強みでした。ユニバーサルミュージックだけでなく、ソニー・ミュージック、エイベックス、ワーナーミュージック、キングレコードなど、多くのレコード会社の楽曲を収録。世代を超えた名曲を網羅することで、他では手に入らない、価値の高い商品を作り上げたのです。
そして、視聴者層に合わせたマーケティング戦略も奏功しました。深夜・早朝という放送時間は、比較的高齢の視聴者がテレビの前にいる時間帯。インターネット通販よりも、テレビを通じた購入に慣れ親しんでいる彼らにとって、「音楽のある風景」はまさに理想的な購入手段だったのです。
終了の背景と今後の展望
「音楽のある風景」が幕を下ろすことになった背景には、時代の大きな流れがあります。まず、CD市場の衰退。1998年をピークに、CDの生産金額は減り続ける一方。2024年には、ピーク時の4分の1以下にまで落ち込み、もはやCDだけでビジネスを成り立たせるのは至難の業です。
そして、音楽の聴き方の変化。サブスクリプション型の音楽配信サービスが主流となり、「所有する音楽」よりも「アクセスする音楽」に価値を見出す人が増えました。スマホひとつあれば、いつでもどこでも好きな音楽が聴ける。そんな便利な時代に、あえてCDを購入する人は減りつつあります。
しかし、「音楽のある風景」が築き上げたコンセプトは、決して無駄にはなりません。例えば、ストリーミングサービス上で、番組のような選曲リストを提供する。そんな新しい形で、あの感動を再び味わえる日が来るかもしれません。
演歌ニュース記事 感想
「音楽のある風景」の終了は、ひとつの時代の終焉を感じさせます。深夜にふとテレビをつけると流れていた名曲と美しい映像──それがもう見られなくなるのは寂しいものです。
しかし、この番組が愛された理由を振り返ると、「ただの通販番組ではなく、音楽を通じて心の癒しを提供していた」点が大きかったと改めて感じます。音楽が単なる娯楽ではなく、人生の思い出や感動と結びつくものであることを再認識させられました。
今後、CDではなくても、このような形で音楽を楽しめる場が新たに生まれることを期待したいですね。

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