【一条貫太】浅草公会堂が揺れた!鳥羽一郎も認める“海の継承者”が魅せた初殺陣と魂の26曲

2月28日、春の足音が聞こえ始めた東京・浅草公会堂にて、演歌歌手の一条貫太さんによるリサイタル「一条貫太リサイタル~魅力のすべて2~」が開催されました。2024年に初開催され、大反響を呼んだシリーズの第2弾。会場には約1,000人の熱心なファンが詰めかけ、開演前から場内は独特の期待感に包まれていました。

一条さんといえば、あの演歌界のレジェンド・鳥羽一郎さんから「海の歌はお前がいけ」と直々に後継指名を受けた、まさに演歌界のサラブレッド。今回のリサイタルでは、そんな彼の代名詞である「海の歌」を軸にしつつも、誰も見たことがない一条貫太の新たな一面を披露するという、意欲的な試みがなされました。わずか3回から4回という極限の練習期間で挑んだ本格的な殺陣(たて)の披露や、師匠との心温まる共演、そして1月に発売されたばかりの新曲『兄弟波止場』に込めた想いなど、見どころは尽きません。デビュー9年目を迎え、いよいよ大台の10周年を目前に控えた彼が、浅草の舞台で何を語り、どのような未来を描いたのか。興奮のステージを詳しく紐解いていきましょう。

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“海の歌”継承者、一条貫太がリサイタル「挑戦できることが幸せ」

3分間に込めた剣客の気迫。猛特訓で挑んだ人生初の本格殺陣に1,000人が息を呑む

リサイタルの目玉の一つとして、誰もが固唾を呑んで見守ったのが、一条さんにとって人生初となる殺陣の披露でした。休憩を挟んだ後半戦、幕が上がると同時に、そこには着流し姿で凛と佇む一条さんの姿がありました。演歌歌手としての華やかさを封印し、一人の剣客として舞台に立つその眼差しは鋭く、観客を一瞬で物語の世界へと引き込みます。

多忙なスケジュールを縫って行われた稽古は、わずか数回。本来なら基本の足運びから何ヶ月もかけて学ぶべき伝統技術ですが、一条さんは持ち前の集中力とリズム感でこれをカバーしました。銀光りする刀が空を切り、刺客たちを次々となぎ倒していく激しい立ち回り。一瞬の油断も許されない真剣勝負の3分間に、会場の静寂はピークに達しました。最後の敵を斬り捨て、ふっと刀を納めた瞬間、割れんばかりの拍手が巻き起こったのは言うまでもありません。「手の動きを重視して叩き込んだ」と語るその裏には、泥臭く努力を厭わない一条さんらしい誠実さが溢れていました。

浅草キッドに流しの原点。師匠・宮下健治との共演で響かせた情愛の調べ

歌唱コーナーでは、単なるヒット曲の羅列に留まらない、一条さんの音楽的ルーツを辿るような演出が光りました。浅草という土地への敬意を込めて披露されたのは、ビートたけしさんの名曲『浅草キッド』。下積みの苦労と夢を追い続ける男の心情を、彼はまるで自分の物語のように丁寧に、そして力強く歌い上げました。浅草の夜景を想起させるライティングの中、彼の艶のある声が会場の隅々まで染み渡っていく様子は、まさに至福のひとときでした。

さらに、客席を沸かせたのが、自身の師匠である作曲家・宮下健治氏を迎えての「流し」コーナーです。ギター一本、マイク一本で人々の心に寄り添ってきた演歌の原点。師匠の奏でる音色に身を任せ、アイコンタクトを交わしながら歌う一条さんの表情は、先ほどの剣客の鋭さとは対照的な、柔らかく温かなものでした。師弟の絆が紡ぎ出す調べは、古き良き演歌の温もりを令和の浅草に蘇らせ、観客一人ひとりの思い出にそっと寄り添うような深い感動を呼んだのです。

鳥羽一郎からの「おう!」に込めたエール。新曲『兄弟波止場』で狙う紅白への最短ルート

クライマックス、会場が最も熱くなったのは、1月14日にリリースされたばかりの新曲『兄弟波止場』の披露でした。今作は「海の歌」シリーズの第4弾。海で亡くなった兄の遺志を継ぐ弟の葛藤と希望を描いた物語ですが、これまでの「張り上げ」一辺倒だった男唄とは一線を画します。一条さん自身が「しっとりとした情緒を大切にした」と語る通り、そこには大人の哀愁と、静かに燃える情熱が同居していました。

この「海の歌」の看板を背負うきっかけとなったのは、以前行われた鳥羽一郎さんの40周年記念コンサートでした。その際、一条さんの歌声を聴いた鳥羽さんから「海の歌はお前が歌え」と声をかけられたのです。つい先日、高知で鳥羽さんに再会し「新曲、歌わせていただいています」と報告したところ、返ってきた言葉は「おう!」の一言。不器用な先輩らしい、けれど信頼に満ちたその返答を嬉しそうに語る一条さんの姿には、継承者としての誇りが漲っていました。来年の10周年に向けて、年末のスケジュールを「最後の2日間まで空けている」と宣言した一条さん。浅草で誓った紅白初出場への想いは、この日、一気に現実味を帯びて動き出しました。

演歌ニュース記事 感想

今回のリサイタルのニュースに触れ、何よりも一条貫太さんという方の「逃げない姿勢」に強く胸を打たれました。特に、わずか数回の稽古で殺陣に挑むというのは、失敗すれば怪我の恐れもある非常にリスクの高い挑戦だったはずです。それを「挑戦できることが幸せ」と言い切る彼の若々しい精神力に、演歌界の明るい未来を見た気がいたします。これまでどちらかというと「若さゆえの勢い」が魅力だと思っていましたが、今回の『兄弟波止場』で見せたしっとりとした歌唱法への変化は、彼が一人の大人の歌手として大きな脱皮を遂げようとしている証拠なのでしょうね。

個人的に一番印象に残ったのは、鳥羽一郎さんとのエピソードです。新曲の報告に対して「おう!」の一言で終わるという、なんとも演歌の世界らしい、硬派で温かい関係性に思わず笑みがこぼれました。多くを語らずとも背中で語る師匠や先輩に囲まれ、それをしっかりと受け止めながらも、自らの軸をぶらさずに新しいことに挑戦し続ける。そんな彼が「年末のスケジュールを空けている」と語る言葉には、単なる願望を超えた、確かな実力が伴っているように感じます。浅草の舞台で流した汗と、師匠と奏でたあのメロディーが、年末の大きな吉報に繋がることを一人のファンとして確信しています。

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